無事に引っ越しが済んでからその日は、
レントゲン撮影、エコー、CT、人工透析、体のマッサージケア等々・・・
母にとってはイベント盛りだくさんのめまぐるしい1日となった。
私は引っ越し当日、病棟医から心配停止した時の話を聞き終え
母が落ち着いて病室へ戻ったのを確認してから会社に戻り、
病棟医に言われたことを報告し、相談をした。
報告は心配が停止したときの対処方法や検査の概要、結果。
相談内容は、強制ではないが今夜家族の誰かが
母の病室へ泊まることが可能であれば
傍についててやってほしい、と言われた事だった。
病棟医は私に言った。
病棟医『今まではICUで24h、患者1人につき1人の看護師がついていたので手厚い看護が出来ていたのですが・・・ICUに比べると看護師の人数が極端に減ってしまうので、日中は看護師1人がおよそ5~6人の患者を兼用で看ることになります。お母様は特別観察室で治療しているので、他の患者さんよりは優先して診てもらえる状況下にあります。1時間に1度の頻度でお伺いすることになるのですが、夜になると、看護師の人数がさらに減ってしまうのでなかなか来ることができない可能性もあるんです。お母様は声が出ず、腕を動かすチカラがないため、用事があってもナースコールを押すことが出来ません。センサーで拾うにしても、チカラが弱すぎるため反応しないのです。お母様はひょっとしたら不安に思うかもしれないので、ご家族の誰かが傍についていてくれれば、万が一看護師がなかなか来れない状況下になっても、多少は心強いかと・・・』
・・・そっかぁ、そういう状況なんだ・・・
ナースコールが押せないなら、確かに不安がかなり大きい。
息が苦しくなっても、ただ待つしかできないのだから。
【人工呼吸器のデメリット】
・痰が定期的に溜まる。
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気道がふさがってしまい、息苦しくなる。
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詰まってしまう前に除去。
↓
吸引している間は呼吸ができない。
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患者の苦しさは変わらない・・・。
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除去後は、気道確保ができるので呼吸がしやすくなる。
↓
また、痰が溜まる。
↓
繰り返し・・・・・
こんな感じで処置していただいております・・・。
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吸引している間は、心拍数が上昇している。
チューブを取り外しているためアラーム音が鳴り響く。
装着している間は、これが延々と続く・・・・(>_<)
また、人工呼吸器を装着しているとはいえ
母も多少は自発呼吸が出来ている状態なので・・・
・時々、人工呼吸器と喧嘩する。
つまり、規則正しく酸素を送り続けている人工呼吸器に対し
母の自発呼吸とタイミングが合わず、苦しくなるようで
眉間にシワがよることがしばしば起きた。
息継ぎのタイミングがうまくできないのだ。
水面はすぐそこに見えているのに
顔を出したくても出せない状況に陥るのだろう。。。
想像でしかないけど(´・ω・`)
こんな状態でどうやって寝るんだ・・・・
・ベッドの角度によって息苦しさが変化する。
チューブが正常な状態(屈折していない状態)なら
酸素供給は安定しており、痰が詰まらない限りは
息苦しさはさほど感じ無いようである。
が・・・・、
ベッドの上部を上げたり下げたりしたとき、
チューブが屈折してしまう事があるようで
操作をするときは充分に気を付けなくてはならない。
少しだけベッド上部を上げた状態のほうが
母は落ち着いて寝ていられるようだった。
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父がこの日、泊まることにした。
看護の観点では何もできないが、
母の異変に気づけばすぐナースコールを押してやれるから・・・
理由はそれで十分だった。
仕事を終えて、風呂と食事を済ませ
病室へやってきた父。
特に何をするわけでもなく、
ただ、看護師の処置を眺めていたり
母に言葉少なに語り掛けていたようだ。
夜はどんどん更けてゆき・・・
父もうとうとし始めた頃。
けたたましいアラーム音が病室中に鳴り響いた。
page2へつづく。