『ビーッ!ビーッ!』

少しうたた寝していたとき、控室にコール音が鳴り響き目が覚めた。

メソ『・・・はい、控室です』
ICU『ICUです。お母様と面会できますが、どうなさいますか??』
メソ『・・・あっ、いいんですか!?お伺いいたします。』
ICU『はい。お母様がお待ちですよ^^』

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おかーさんが待っている。
なんて嬉しい言葉なんだろう。
はやる気持ちで、病室へ向かう。
病室前で、担当の看護師さんが挨拶をしてくれた。

看護師『おはようございます。ゆうべは、眠れましたか?』
メソ『あ、はい。まぁまぁ・・・(笑)』
看護師『心配ですもんね。でも、お母様は娘さんが傍についていてくれたお陰で、無事乗り越えましたよ^^』
メソ『・・・・ほんと、ですか・・・!』


母は、まだ麻酔が効いていて意識はないが・・・
昨日の面会に比べれば、やや穏やかな表情に見えた。

メソ『おかーさーん・・・よく、耐えたね・・・!お父さんも忠も、喜ぶよ・・・』
泣きながら語り掛けるメソメソに、看護師さんは優しく背中を撫でてくれた。

私は、先日の大分県の旅で知り合えた、身代わり地蔵様の事を話した。
すると、看護師さんは『病室に置いてもらえないか聞いてみますっ!』と言い、
師長さんへ許可をもらいに行ってくれたのだ。

看護師『メソメソさん、オッケー出ましたよっ!(*'ω'*)』
メソ『わぁ、ありがとうございます!!控室にあるんで、すぐ取りに行ってきます!』

ケースに入った身代わり地蔵様を看護師さんが受け取り、
透明の袋に入れて、病室の窓辺に置いてくれた。
母の方へ体を向け、笑顔で両手を合わせ、お祈りしてくれている。
これでもう、大丈夫だ!!( ;∀;)

おかーさんにしばらく付いていると・・・
母『メソ、昨日あんまり寝てないんだから早く帰って休め( ゚Д゚)』
って言われてるような気がした。
途端に眠くなってしまった(笑)

時間は朝の8時。
お父さんに電話を入れて、無事に峠を越したことを伝えると
声を出せないまま泣き崩れてしまった。
父の体調がかなり心配だったが、めまいはもう無い、とのこと。
ホントによかった・・・。

私は帰宅し、昼まで仮眠をとった。
旦那は9時に会社へ向かい、パートさんと共に出荷準備をする。

無事に運送業者に集荷へ来てもらい、
昼過ぎに業務は終わったようだ。

頼れる仲間に感謝!!
母の容態が好転したことで、何もかもうまく行くような気がする!!

昼の面会は、弟が体調崩しているので
父と私の二人で向かう事なり、
旦那にはゆっくり休んでもらう事にした。


午後の面会。
峠を越えた母に会える。
私たちの気分は、とても明るかった。

・・・・が、やはりそこはICU。
一進一退を繰り返す患者が多いため、
なかなか気が休まる状況ではないことを再認識させられた。。。

峠は、超えた。
しかし、まだまだ深刻な状況であるのは間違いはない。
ICU担当医からの説明は、以下の通りである。
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・酸素濃度の圧力をMAX100%→80%へ下げた。
つまり、20%は自発呼吸が出来ている、という結果である。

・やや不整脈が気になるが、心拍数&血圧&酸素濃度は落ち着き始めた。
心拍数:120~150、血圧:117/90~100/85、酸素濃度:98-100。

・血小板輸血をしているが、一向に止血が出来ない。
肺炎ウイルスは未だ勢力を保ったままであるため、母自体の白血球が
生み出されてこない。つまり、肺炎を治すためには白血球が必要不可欠であり
自身のチカラで肺炎を治すことも出血を止めることもできない。

・肺炎が極めて重篤な症状(マルトフィリア感染の疑い)であるため、
致死率が高いと言う事。これに伴い、肝臓・腎臓の機能も低下。
このまま白血球がうまれなければ、人工透析処置が必要であるとの事。
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私たちは、絶望しなかった。
だって、母は諦めていない。
医療スタッフも、諦めていない。
まだ、救える方法がきっとある。

父は泣いてばかりで、下向きな事ばかりを言う。
こんなとき、男の人はメンタルが弱いな、とつくづく思う。
悪いことを言葉にすれば、その通りになっちゃうかもしれないのに。
下ばかり向かず、上を向いてほしい。

母はこんなに頑張ってるんだよ。
沢山課題はあるけど・・・おとーさん、今はひとまず喜ぼうよ。
自発呼吸、少しずつやけどできるようになったんやで?
おとーさんにとって、これ以上にない最高のバースデープレゼントやん。

父の中でいろんな葛藤があるんだとおもう。
母の夫であり、二人の子供の父親であり、
会社経営者の立場であり・・・
入院している年老いた母(メソの祖母)の事も心配でたまらない様子だし。

とにかくとにかく、父が心労で倒れないよう、
私たち子供が全力でサポートしないと。

そりゃー、ワタシラ倒れてるヒマなんてないでしょ(笑)


つづく。